孫崎氏の戦略論 講座

戦略とは何でしょうか?・・・と質問から始めようと思いましたが、

既に皆さんには用意したペーパーが配付されておりますので、

質問はいたしません…と一昨日、講師の孫崎先生は講義を始めた。

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質問されずに良かったのか悪かったのか?…定かではない。

戦略論という真の意味を理解していない者にとっては、

真意が掴みきれないからだ。


孫崎享先生には、

一昨年の9月に“九条の会・さいたま” 主催の講演会の席と、

その前に横浜でもお目にかかっている。

そのため今回で講義を聞くのは3回目になる。

講座会場となった都内の某大学8号館209教室のドアは閉まっていた。

若しや間違ってはいまいかと考えながらノックしてドアを開けた。

すると会場内には既に10数人いた。

その最前列に孫崎氏がこちらを向いて立っている。


笑顔で聴講生を快く迎えていたのだ。

よく見ると森田塾の同志のはるさんも既に着席していた。

孫崎氏に近づき、お久し振りです!…と声をかけると、

更に笑顔がほころんだ。


このように迎えられると嬉しいものだ。

きっと素晴らしい講義になるだろうと予感させる。

戦略論と銘打った講座である。

戦略論と言うからには、

これは如何すれば戦争に勝てるのか? という学問だと思い易い。

しかし今回の講座の目的はそれとは違う。


戦争を避けるためには、どのように考えたら良いのか?

戦争を避けて共存、共栄するためには如何すればよいのか?

…が目的である。


私は孫崎氏の「情報と外交」、「日米同盟の正体」という本を読んでおり、

講義が進むに従い、クラウゼヴィッツ、モルトケ、マクナマラ戦略…

という言葉が出てくると読んだときの覚えが次第に蘇ってきた。

クラウゼヴィッツの頃の戦略は、

我が意志を強要するための力の行使だった。

二度と歯向かうことをさせないようにするために、

相手を徹底的に無力化し服従させることだったのだ。


しかし、現在は、それとは違う。

後にシェリングの言う、「勝利という概念が敵対する者との関係でなく、

自分自身の持つ価値体系の関係で意味を持ち、無益、損失を自分も知ること」

に変わってきたのである。


そして、核兵器の存在によって相互確証破壊戦略
(闘う戦略から戦わない戦略に180度変化)

に向かわらざるを得なくなった。

“相手に自国を完全に破壊出来る核兵器の温存を保障する” ことにより、

“相手国の先制攻撃の誘惑を絶つ” ことに至ったのである。
(これが核戦略の終着駅ならよいが)


この変化は何を物語っているのだろうか。

相手を叩きのめすまでしていた戦いは、無くなり、

相手の存在を認めるようになった。

そうすることで自分の存在も相手側に認めさせることになる。

このように共存、共栄の思想が芽生えてきたのではないか。


自国が生き残るためには、

相手国が攻めて来ないだけの確証が得られなければならない。

どちらの国も相手に勝てるだけの力を保有出来れば自ら手を出さない。


核兵器を持つべきだ!

軍事力を増強せよ!と喧伝し、

直ぐに武力に訴える!…と喚く何処かの弱小国とは違うのだ。


しかし、それだけだろうか。

相手国が死に絶えてしまえば何も得られなくなるし、

相手から延々と貢がせ続けるには、

相手国を生かしつつ、上手く使うことしかない。


このように利益を吸い上げるために考え出した結果、

相手の存在を認めざるを得なくなったのではないかと思う。

どのように変化して来たとしても、

悲惨な戦争で命を落さずに居られるだけでもよい。

しかし、このような講座が日本の大学で教えるところがない。

もしかして初めで最後となるのではという言葉が気にかかる。


将来を見通すことの大事さを教えてくれる。

戦争を回避するためには絶対に欠かせない、

このような講座が何故無かったのだろう。


それは戦略論と言うと、

直ぐに軍国主義日本が復活すると連想されてしまい、

タブー視されてきたことが原因のようだ。


また企業戦略という言葉があるように原理は似通っているが、

軍事的な意味の戦略論と企業戦略では異なる部分が多く、

二つを総合して初めて本来の戦略になるという。


このように聞くと今後の講義が待ち遠しい。



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この記事へのコメント

ネーム
2011年12月04日 14:35
南シナ海の領有権紛争をどう見るか 中国の海洋進出は脅威なのか(アジア記者クラブ)
http://apc.cup.com/

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